数日後。

昼休みの屋上で、山本が言った。

「なー、お前ら別れたんだって?」

ブピ!

綱吉は無言で飲んでいたジュースを吹いた。

獄寺は慌ててハンカチを取り出し、丁寧に綱吉の顔を拭っている。

「ご、獄寺君、それホント?」

「はい、別れました」

「なんで?あの子結構可愛かったじゃん」

「好きじゃないのに付き合うのも悪いかなーと思ったんだよ」

獄寺は顔を顰めた。 ふーん、と気の無い相槌をうちながら、山本はサラリと言った。

「なー、高野ってさ、ちょっとだけツナに似てるよなー」

ゴフッ!

今度は獄寺がむせた。

「えーなんだよそれー、オレ女の子みたいってことー?」

笑いながら綱吉が流したが、山本は「絶対似てるって!目元とかさー」と食い下がる。

獄寺は一人、意識を飛ばしていた。

 

ちょっとトイレ行ってくるね、と綱吉が消えた屋上で、山本は獄寺に爆弾を投下した。

「お前さー、ツナのこと好きだろ」

「――――!!!」

獄寺は顔を赤くしたり青くしたり忙しくしながら、(え、これって、やっぱそうなの?)と思った。

(俺の、十代目へのこの気持ちは・・・・・恋だったのか・・・!!)

 

「残念だなー、獄寺がライバルになっちゃうとはなー」

「いやいや何言って・・・・・・・・・・ライバル・・・?」

(・・・・・・まさか、こいつ・・・・・・・、――――!!)

「いくらシンユーでも、容赦しないのな、俺は」

山本が不敵に笑いながら目を光らせていた。

「・・・・・・・・てめえ・・・。望むところだ!」

獄寺は、懐からダイナマイトを取り出した!

 

 

「ただいまー、て、え!なに?どーしたの?」

(何だかよくわかんないけど、またケンカしてるー!)

状況を全く掴めていない綱吉が、二人の只ならぬ空気に一人オロオロした。

バックには雷鳴が轟いている。

獄寺が中指をおっ立て、山本は親指を下に向けた。

 

「――――ぶっ潰す!」

「出来るもんならな」

「たたたたたすけてええええええ!!」