リボーンは時々、一人でふらりとどこかに行く。
行き先を聞いても教えてくれないのだが、綱吉は少し気になっていた。
日曜の午後、座椅子にもたれながら自室で一人ゲームをしていたら、窓からリボーンが入ってきた。
お隣さん特権の、「ベランダ伝いに行き来できる」アレである。
「ねむい」
一言呟いたあと、リボーンは綱吉の胡坐の上に顔を入れ、腰を抱えて腹に顔をくっつけた。
そのまま横になる。
リボーンはこのようにスキンシップしてくることが多々あった。
綱吉はゲームに集中していたので、あ、リボーン来た、くらいには思っていたが、何の反応もせずにリボーンの体を
ちょうど良い高さの肘置きのようにしながら、ゲームを続けていた。
そのまま考える。
(昨日、寝てないのかな)
本当に何をしているのだろうか。
もしや、不良とかと付き合ってたりして・・・。
リボーンだったら不良の総元締めとか簡単に出来そうだな。
有り得そうな光景を思い描き、綱吉はブルルと身を震わせた。
ううん、と唸り声が響き、ドキリとする。 起こしたかなと下を見ると、リボーンは爆睡しているようだった。
腹に顔をくっつけているので、表情はよく見えなかったが。
ぼーっと見ていると、腹に顔を擦り寄せ、腰に周っていた腕に力を込めてきた。
(く、くすぐったい・・・)
リボーンの頭を撫でてみる。黒髪が指の間をさらりと通った。
寝ている時だけ、リボーンは素直に触らせてくれる。
普段は、触ろうとするとなぜか叩かれる。あまり触られるのが好きじゃないらしいのだ。たまに触らせてくれるけど。
自分からは触るくせに。
(あんまり、危ないこと、すんなよな)
だんだんオレも眠くなってきたな。
綱吉は、ゲームの電源を切った。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「お、可愛いな」
獄寺と山本は、目の前の光景に言葉を失っていた。
コロネロは「証拠写真」と言って携帯のカメラで撮影している。
リボーンの写真は、結構な値でさる筋に売れた(一番高いのはプライベート写真だった)。
遊びに来た三人はたまたま玄関で会い、奈々に「上がって上がって」とお許しを得たので部屋のドアを開けたのである。
獄寺と山本は、リボーンが綱吉の腹に顔を擦り付けるのを青筋を立てて見詰めた。
綱吉の寝顔と現状の打開が二人の心の両天秤にぶら下がっていた。