「グッ」

 

「グッは、あはあ、ハッ」

 

目の前の男は笑っていた。

 

アイツ、あいつ、

 

きれいなカオ歪ませて、何度もいってたぜエ、たすけてたすけて、って 

 

バカみてえに、オレが足にブッ放してやったら、叫びやがった、カエルが潰れたみてぇな鳴き声しやがって、ああはッ、

き、ひッは、

 

何発も打ち込んだら鳴かなくなってつまんな

 

 

 

「黙れ」

 

ボギッ

 

 

「―――、ア?」

 

ブシュッ、ゴッ、ビチャッ、プシュウウウウッ

 

「あ゛、ア゛ッあァァァァア゛ッア゛が゛ッ」

 

びぐっ、ビグッ

 

男の体が跳ねる。瞳孔は完全に開いている。口から汚い血の泡を吹いている。無心で体を引き裂いた。

 

ボゴンッビュッ、グジャリ、ゴギンッ、

 

全身に滾る熱とは対照的に、頭のどこかで理解した。ああ、リボーンは本当に死んでしまったのだ。嘘だろう。殺しても死にそうに無いあの男。赤ん坊の時からずっとオレの傍にいた、絶対的な存在。傍目からは読みにくいポーカーフェイス。大好きなエスプレッソ、お前の我侭で取り寄せた大量のストックまだ残ってるんだぞ。誰が飲むんだよアレ。クローゼットの奥の衣装たちだって、お前以外に使うやつなんて居ない。今度の休暇には久しぶりに日本に帰ろうっていう約束、あの約束を取り付けるために二ヶ月碌に睡眠とって無いんだぜ。もう動くことも無くなった男を眺めていても、手は止まらない。止められない。ああ、リボーン。ボスは常に冷静であれ、あの言葉はもう時効かなあ。お前、いなくなっちゃったんだもんね。

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・、あれ」

 

 

もうバラバラにするところも無くなっちまった。

随分と小さくなった塊たち。

 

男のあからさまな嘘に、見っとも無く反応してしまった。

 

馬鹿だ。

 

 

 

「リボーン」

 

馬鹿だ。

 

 

『ダメツナ』

 

 

呼んだって、虚しさが増すだけだというのに。

 

 

 

 

嗚呼、

このまま、

 

 

世界が終わってしまえばいいのに。