※突発微パラレル短文

 

実は弱点がある。

『喉』が本当にダメなのだ。

普段は意識しないが、自分に喉仏がある、と思うだけで、そこが破裂するかのような強迫観念にとらわれる。

友達の喉仏も絶対に見れないし、他人が「のど」と発音するだけで自分の喉を押さえる。

自分で触るのは平気だが、人に触られるのなんて言語道断だ。

 

だから、今、両手両足を押さえつけられ、喉仏を口に含まれている状況は、拷問以外の何者でもない。

 

「ひ、っああ、あ」

さっきから本気で逃げ出そうと必死にもがいている。が、体はぴくりとも動かない。

そこを舐められるだけで全身がぞくっとし、言い知れぬ不快感、恐怖感に陥る。

何より、なぜかその相手が、いつも優しくしてくれた隣のお兄さんだった。

(かんべんしてくれ)

彼は、いつも優しく穏やかな光を湛えた青い瞳の色を、鋭く深い闇の色に染めていた。

 

「ねえ、綱吉君」

優しく猫なで声で彼は話しかけた。

「先ほどの彼、どなたですか?」

「う、」

「あんなに仲良く話して」

「ひっ、ぃ」

「僕以外の人と」

「やめ、て」

獄寺は、最近仲良くなったクラスメイトだった。

家の前で別れた後、たまたま隣から出てきた六道と会い、誘われて家にお邪魔したのだ。

綱吉にとっては、何の変哲もない日常の風景だった。

 

右目が赤く染まっているのが見えた。

たすけてたすけてたすけてたすけて

眦から涙がこぼれるのを自覚しながら、(たすけて、たすけて)そればかりを願っていた。

「うあ、や、っあ、ああ、!」

唇で挟まれ、歯を立てられた瞬間、

 

う、

わあ、

 

意識を失った。