※途中、小エロ描写有
布団の中、綱吉は痛む腰を擦りながら唸っていた。
最近、相手は遠慮というものを知らなくなっているような気がする。
チラリと見上げれば、こちらの痛みも知らないような呑気な寝顔が目に入った。
「・・・・・・・ちくしょう」
ぼそっと呟いた独り言に反応したかのように、背に回る腕の力が強まる。
胸に顔を押し付けられ、まあいっか、と許してしまう自分はとことん甘い、と顔を顰めた。
ていうか。 オレらって、何なの?
中学で出会い、こういう関係になったのは高校に入ってから。 しかも、何となく流されて始まったのだ。
それ以来、暇だなあ、じゃあセックスでもする?的なノリで、ずっと今まで続いている。
よく考えたら有り得ねえ。
オレは確か京子ちゃんが好きで、立派にオンナノコが好きで。
オレなんかよりもずっとモテる相手の方も、当然に女の子が好きなはずなのに。
ダメだ。 このままじゃ、ずっと男同士でタダれた青春を送ることになる・・・・・!
そういう関係になって約半年。
今更いろんな間違いに気付いた綱吉は、抱きしめる相手を押しのけ、もぞもぞと布団から這い出した。
ごそりと服を着ていると、布団の中で友人が腕をぱた、ぱた、と腕を上下する。無意識に。
探されている。
綱吉は山本の体を足で小突いた。
「山本って彼女つくらないの?」
綱吉の質問に、山本は口に含んだ牛乳を噴出した。
「うわ、汚なっ!」
げほ、ごほ、と咳き込みながら涙目になった山本に、ちょっぴりドキリとしたのは無視した。
「悪り、てか、お前、いきなり何を」
「んん、だってオレ達高校生だよ?青春真っ盛りだし、山本はもの凄くモテるし」
「・・・・・・・・・ヤキモチか?」
「、はああ!?なに、言ってんの!」
ツナ赤くなってる、かわいー、と言いながらも、山本の目は全然笑っていなかった。
綱吉の脳に警報が鳴る。 あれ、何か怒ってる?
「ちょっと」
腕を引かれ、教室を出る。
廊下を歩いている時、通りすがりの女の子たちが山本を見ているのがわかった。
「ゥ、」
綱吉は耐え切れず、呻き声を上げた。
下で山本が笑ったのがわかった。
「やめて、」
「黙って」
口に含まれて硬くなっている其処は、唾液で濡れて光っていた。
先走った白い液に山本は唾を飲み下す。
両腕を後ろに縛られて身動きの取れない綱吉は、必死に声を押し殺すことしか出来なかった。
「・・・・・っ、なんで、こんな、ぁ」
じゅるり、と水音が響いた後、山本は息を荒くした綱吉を見上げた。
「何で、だって?」
その鋭い眼光に、綱吉は息を止める。 背筋が冷たくなり、思わずぶるりと震える。
「・・・・・・・・その顔、やめろ」
めちゃくちゃに、したくなる。
山本が小さく呟き、再び動きを再開した。
「!ぁ、・・・・ッ」
熱い波に流されながら、目尻から温かいものが零れるのを感じた。
息を荒げたまま、綱吉はぼうっと空を見上げた。
そういえば、屋上でやったのは初めてだ、と思った。
山本、どこ行った?
顔を横にして探すと、フェンスの隅っこで丸くなって綱吉に背を向けていた。
蹲った格好が、ちょっとだけ可愛い。
ノロノロと起き上がり、傍へ寄った。
気配を感じたのか、山本は背を向けたまま、びくりと震える。
「・・・・・なんで体育座り?」
「・・・・・落ち着くから」
ぶは、と噴出すと、恨めしげにチラリと見てきた。
「あーあ、誰かさんのせいで授業さぼっちゃったー」
意地悪気に言ってみる。反応は無かった。
「・・・・・ねえ、何で怒ってんの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ツナが」
「うん」
「カノジョがどう、とか、言うから」
「はあ」
「ムカついた」
「・・・・・・・・なんで?」
途端、バッと振り向かれ、その形相にビビって後退する。
「『なんで』、って、お前それ本気で言ってんの?」
「え、だって」
「なんだよそれ。マジでムカつくんだけど」
「!だって・・・・」
綱吉は少し泣きそうになっていた。
山本とこんな風にケンカすることはあまりなかったからだ。
不慣れなことには弱い。それが、山本相手なら尚更。
綱吉が泣きそうになっているのを見て、山本が舌打ちする。
それに怯えた綱吉が一層涙目になった。
「だ、って!山本、めっちゃモテるし、ふつーにカッコいいし、カノジョ出来てもおかしくないし」
「なに言ってんだよ!俺が付き合ってんのは、お前じゃん!」
「は」
「え、何その反応?」
「いや、てか、え?付き合ってる、って」
「え、何が?」
「・・・・・・・・オレ達、付き合ってんの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
ビシッ、と山本が固まった音が聞こえたような気がした。
だが、綱吉も綱吉で驚愕の事実(本人談)に驚いていた。
オレたち、恋人同士なのか?
知らなかった・・・・・!
そういえば、セックスを始めたばかりの頃。
何度か『好きだ』と言われたような気がする。
だけど、最中だったもんだからかなりうろ覚えだ。
あー、だから誕生日の時はやたらと二人で過ごしたがってたのか・・・・・。
オレが悪いのか? いや、でも!
『じゃあ付き合おっか』なんて一言も言わなかったし!
「・・・・・・・・・・・・・・・・あー、その」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「何て言うか」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「すいません、でした?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・山本、・・・・・・・好き、だよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」
「うわ、苦しい、苦しいから!ごめん、ごめんなさいィィ!」
綱吉が山本に『好き』と言ったのは、これが最初だった。
(半年過ぎてようやく!)