山本が呟く。

 

こんな山本は知らない。

こんなオレは知らない。

「ツナ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なに」

「ツナ」

「」

喉が渇く。

 

山本がすぐ目の前に居て、本当に近くて、ぼんやりと柔らかな形をつくる。

形が見えないものなのに、オレはそれを捉えようと必死になっている。

心臓が飛び跳ねている。

全部が嘘みたいだった。

 

「ツナ」

額に息がかかった。

 

「むり。いろいろむり」

必死に搾り出した言葉は、やっぱり掠れている。

 

「つな」

 

「、」

 

太陽の下で浅黒く光る手が、オレの腰を抱えて、

 

熱い吐息が、唇に、触れて、

 

 

「や」

 

 

溢れ出かけた、濡れた熱いなにかは、内側からオレを破壊しようと懸命だった。

感じないでいよう、と決めた僅かな抵抗は、宇宙の彼方に消えていった。

 

 

顔が、全身が焼けている。何も考えられない。

すでに前はぐしょぐしょだった。

大きな手が擦るたびに、ぐじゅ、と嫌な音が耳を侵す。

「っ」

「こえ、出せば?」

「ぜってーやだ」

睨むと、鼻で笑われた。一気に手の動きが速くなる。

「っうあッ!?」

ぐちゅりっ。

「ばーか、抵抗されたら男は燃えんだよ」

「ひ、うっ、うっ!ッん、あっ」

はっ、はっ、はっ、

 

荒く息をつき、犬のように涎を垂らしている人間がいる。オレだ。

惨めだ。

 

「なんっであっああっ、」

「は、っ、ツナ、俺だって、お前を、ぐちゃぐちゃにしたい時はある」

「っひあ!」

耳から息を吹き込まれて低い声で脳を犯され、死にそうになる。

後ろから覆い被さっている親友(のはずだ)は、人の乳首を弄りながら哀しそうに呟いた。

「俺のこと、好きになってくれたらいいのに」

 

バカじゃねーの。

いっその事、一緒に死のう、とでも誘ってみようか。

 

そんなことを考える自分は、きっと、この変態よりも愚かなのだ。