振り返れば、ここに訪れるようになって随分経ったと思う。
元々、気兼ねとかそういう事には疎い方なので、随分あっさりと来たりはしたが。
綱吉の背中を見ながら、山本はぼんやりとそう思った。
親友は最近買った格闘ゲームに夢中だ。綱吉が自分に気を使わなくなったのはいつからだろうか。
背中を見るのも飽きたので、手元のマンガに目をやった。
だが、もう目は素通りだ。
ごろん、と寝転ぶ。こうやって、ベッドにも気軽に寝るようになったのも、いつが境だったのか。
布団に顔を埋めて匂いを嗅ぎ、その後そういう行動をとった自分に焦る。
(ここにツナ、寝てんだよな)
思考は進む、どこまでも。
(一人で、ヤってんのかなあ)
俺たちゃ、中学生だ。まだまだおサル、当たり前、か。
思わずその情景を想像して、なぜか体が熱くなった。
「なあ、ツナー」
「なにー?」
どりゃ!と叫びながらコントローラーを動かすヤツは、こっちを向きもしない。
「夜のオカズって何?」
あ、ストレート過ぎたか、と思った。が、綱吉は焦ることなく普通に返してきた。
「えー、今日はコロッケって言ってた気がするー」
がっくりと項垂れた山本に、綱吉はチラリと目線をやった。
「食べてく?」
「・・・・・おう」
「・・・何か、元気無くない?」
「気のせい気のせい」
「あー!」
山本が顔を上げると、綱吉が画面に悲しそうな顔を向けていた。ゲームオーバーの文字が光っている。
「ま、いっか・・・・・次、山本やる?」
「や、いい」
いそいそとゲーム機を片付ける綱吉の後姿に目をやって、短パンから生えた白い太腿にぎょっとなった。
そのまま尻を見る。
ダメだ、咄嗟に思った。
布団に再び顔を埋める。甘い匂いに、くらりとした。
ああ、ヤバイ。追い詰められる。何がって、そんなの俺が知るか!
布団に顔を埋めたまま、唸りだした山本に、今度は綱吉がぎょっとなった。