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何の取り得もない平凡な男児である沢田綱吉。
周りからはダメツナと呼ばれ、それを本人も甘んじて受け入れている。
諦めるのが何よりも得意。
良く言えば順応性が高い。
そんな彼に、一つだけ解せないことがあった。
次の授業が移動教室のため廊下を歩いていると。
「ツナ」
教室の窓越しに綱吉のことを呼ぶ隣のクラスのこの男。
これが綱吉の『解せないこと』だった。
ダメツナな自分とは違って何でも完璧であるリボーン。
そんな彼は何かにつけて綱吉にちょっかいをかけてくるのだ。
歩いていると、すれ違うときに足を引っ掛けられて。
転んで立ち上がるまでニヤニヤと見ている。
関わらないようにしようにするため、目を合わせないよう下を向いて歩いていると頭をはたかれ。
ボーッとしていると後ろから急に驚かしてくる。
そして綱吉自身も気にしているぼさぼさの髪をわしゃわしゃと弄って遊ぶのだ。
されている側の綱吉としては、そんなに自分のことが嫌いなら関わらなければいいのにと思うのだが。
そんなことを常にされているため、普段なら寄りもしなかっただろう。
けれどあまりにも真面目な顔だったから警戒心を解いてしまった。
椅子に座っているリボーンに呼ばれ、フラフラと側に寄った自分が憎らしい。
ちょいちょいと動く手に引かれるままリボーンの手に触れる範囲にいった瞬間。
「うわぁ!」
綱吉は力強い腕につかまれ、そのまま成すがままに倒れこむ。
そこはリボーンの膝の上で。
「はははは!ひっかかったな!」
そしてリボーンは大笑いをしながら綱吉を膝の上で抱っこする体勢になる。
「何すんだよぉ!離せってば!!」
じたばたと暴れるが腹に回された手はがっちりと固定され動くことはない。
「フン、離れたければ自分で抜けてみろ」
無理矢理顔を後ろに向けると意地の悪さ丸出しの顔があった。
振り向かなければよかったと本当に後悔し、それと同時に諦めた。
瞬時に抜けるのは無理だと直感した綱吉は、リボーンの膝の上でため息をついた。
「何だ、もう抵抗しないのか?」
少しつまらなさそうに言うリボーンの言葉をツナは無視した。
それが気に喰わなかったらしい。
「そうか…」
怪しく綱吉の耳元で囁くと足の付け根辺りに何かを押し付けられた。
綱吉の全身から一気に血の気が引いていく。
嫌だった。
それが何か認めるのが。
「わかるかツナ…」
けれどリボーンはそれを許さない。
現実逃避を始めた綱吉の意識をしっかりと引き戻し。
「俺の「ひぎゃあああああああああああ!!!」」
それから綱吉はもう無茶苦茶に暴れまくった。
時折、真実を告げようとするリボーンの言葉を遮って。
拘束からやっと解放されたのは休憩時間の終わりで、大笑いするリボーンの元から一目散に逃げた。
そんなに自分が嫌いなのかと、ショック綱吉は半泣きだった。
というか泣いていたかもしれない。
「…って!」
綱吉は走っていた足を止める。
「別にショックじゃないし!むしろこれからはちょっかい出されないと思うと…、思うと……」
綱吉はそこから先の言葉を濁してしまった。
「最低な奴だなコラ」
ツナが逃げ去った後。
リボーンの級友であり、悪友であるコロネロが声をかける。
その目には明らかに軽蔑の色が浮かんでいた。
けれどその態度は当然だったといえるだろう。
「フン、言ってろ」
リボーンはコロネロの言葉にクツクツと笑いながら、切れた唇から出た血を舐め取った。
暴れまくった綱吉の拳がリボーンの頬に当たったせいで出たものだ。
「……かわいい奴め」
恥ずかしがってこんなに暴れるなんてな、とニヤニヤしながら殴られた頬をさする。
「嫌われてんじゃねぇのかてめぇ」
けれどその言葉は残念ながらリボーンに届かなかったらしい。
次の日。
嫌がる綱吉に、再びちょっかいをかけているリボーンをコロネロは見かける。
けれどその綱吉の顔が少し赤くなっていることには気付かなかった。
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葵さんよりいただいた学パラリボツナです。
やばいです。素敵です。
リボーンがいい感じに変態です
葵さん、本当にありがとうございました!!