……………山本の彼女





目を細めて、眉は少し垂れ下がる。その時眉間にはちょっと皺がよる。そして口 許は僅かにしかあがらない。
彼の笑い方は変だ。一見すると困ったようにしか見えない。 だが、その微笑みはいつもオレをドキッとさせる。

いつからこんな笑い方をするようになったかは覚えていない。でもこれは知って いる。その微笑みはオレにしか向けられないこと。 だから勘違いした。彼はオレのこと好きなんじゃないかって。
完全なる思い上がり。
馬鹿だオレ。

最近、山本に彼女が出来た。









キーンコーン

四限終りのチャイムが鳴り、号令で終わる。そして昼休み。
はあ、終わった終わったなんて感じに教室がざわめき始める。 最近オレはこの時間が好きじゃなかった。
昼休みなんてなければいいとさえ思っていた。
オレがブルー入って机に突っ伏してると、頭上から山本の声がした。

「ツナ」
「あ、うん?」
「今日はさ、一緒に食わね?」
「あれ?彼女さんは?」
「アイツは部活の用事があるんだと」
「そうなんだ」

少しにやけてしまった。久々の山本と一緒の昼休み。あれあれ?今日はいい日だ 。
そう。オレが最近昼休みが嫌な理由は山本がいないからなんていうガキっぽいこ となのだ。

「何処で食べよっか?屋上にする?」
「だな。獄寺も飯買いにいったしいつもと同じとこがいいだろ」
「うん!」

良い子の返事。駄目だ。オレまじ浮かれてるみたい。

「あれ?そんなにオレと一緒が嬉しい?」
「うん。だってめっちゃ久しぶりだし」
「そ?オレも嬉しい」

あ、まただ。またあの笑顔だ。
顔が熱る。
思わずうつ向いた。

「ツナ?」
「あ、うん。何でもない」

と言いながらも顔が上げられない。

「……」
「……」

二人の間に沈黙が流れる。いたたまれない。
その時に呼び掛ける声がした。

「武くん」

オレたちが同時に振り返ったそこには山本の彼女がいた。

「あれ?どうしたんだ?」

そして離れていく山本。
行かないで。行かないで。
願うが届かない。

「部活の用事は?」
「三限後の休み時間で済ましちゃった」
「そうか?」
「えと…」

オレをちらりと見てくる彼女。
そうだよね。オレ邪魔だよね。

「良かったね山本。それじゃオレは獄寺くんと食べるから」
「わりいなツナ」
「ううん」

そうして教室から二人は遠ざかっていった。
オレは獄寺くんが来るまでじっと二人が去ったドアをみつづけていた。








音楽室には案外誰も来ないものだ。
オレと彼女はいつもそこで昼飯を食う。

「ごちそーさん。美味かった」
「えへへ。良かった」

彼女と食べる時はいつも弁当のお裾分けをしてもらっている。
毎日彼女が作っているそうだが、中々の力作なのだ。
弁当箱を包む彼女を見る。
うつ向いた顔は見えないがふわふわとした茶髪と耳が見える。

「こっち向いて」

バッと彼女が顔をあげた。その顔は紅く色付き、目はうるんでいる。
確かな期待を持った表情。
その顎をそっと持ち上げる。

「…ん」

触れるだけのキス。
だけどちょっと長めに。

「武くん」

いつもはクリクリとした目が可愛く細められている。
耳が紅い。
もう一度口付ける。今度は深く。

目を瞑りながら考えるのはさっきのツナ。
うつ向いた顔。その耳は紅かった。
何か期待をしてしまいそうな自分を必死で抑える。

「ん。…あ」

やっと諦められると思ったんだ。
彼女が告白した時に感じた高鳴りは嘘なんかじゃなかったはず。

でもな好きだったんだよ。
凄く凄く凄く。
だからこそ臆病になったんだ。
ずっとお前の側にいたい。

「武くん」

目を広げたそこあったのは茶色のふわふわ髪にクリクリとした大きな瞳をもつ彼 女。
今はトロンとこちらを見上げている。

(でもツナじゃない)

死にたいほど最低なことを思った。



















≫≫≫

さあみなさま、準備はいいですか??
『さーいこー!!』
はい、私の雄叫びが聞こえましたでしょうか。
もう、これ、頂いたときはびっくりしすぎて死ぬかと思いました。目を剥きました。
当サイトの駄文『綱吉と獄寺とその彼女』を元に書いてくださったそうなのですが、みなさま、決して比較しないで頂きたい
わたくし思わず恥ずかしすぎて穴掘って入っちゃいますからね、一生出てこない勢いですからね
ステキ文をくださったトナカイさまのサイトはこちらです
ほんとーにありがとうございましたあああ〜!