次の週の放課後。
綱吉と山本は補習のテストを受けていた。
獄寺は、禁止令を出されたものの、近くの教室で何となく綱吉を待っていた。
(だって、万が一十代目の身に何かあったら・・・大変だし)
綱吉が事故に巻き込まれたり、近所の不良にカツアゲされそうになったり、誘拐されそうになったり、痴漢にあったりするのを想像するだけで、
獄寺は背筋の凍る思いだった。
「ご、獄寺君」
驚いた。自分の『カノジョ』がそこにいたからだ。
獄寺は、ここが三組だったことに気付いた。
「待っててくれたの?」
女子生徒は嬉しそうだった。顔を赤く染め、目を潤ませている。
「獄寺君、今まで全然来てくれなかったし、教室に行ってもいなかったから・・・嫌われたのかと思った」
女子生徒、高野さんは、ゆっくりと獄寺に近づいてきた。
そして、獄寺の唇に自分のそれを重ねた。
「ね、付き合ったばかりで、はしたないって思われるかもしれないけど、」
しよ?
獄寺は、冷めた目で女を見た。
けど結局、流れで、した。
自分の下で息を荒くしている女を冷静に観察しながら、獄寺は(補習のテストって、あとどれくらいで終わるんだろう)と思った。
十代目が帰られてしまう前に、早く終わらせてしまおう。
(俺、なんでこの女と付き合おうと思ったんだろう)
確か、何となく顔が気になったからだ。
乳首を吸いながら、獄寺は女の体を持ち上げた。
喘ぎ声が出る。
太腿を撫でていた手を股間に伸ばし、指で触れる。
腕の中の体がしなった。
(体もフツー、顔もフツー、でも、目は大きいな)
ドングリ目。十代目に似てる。
(髪は茶色で、)
でも、十代目のほうが綺麗な色だな。
女の中をかき回しながら、必死に声を抑える女に耳元で「入れていい?」と囁き、返事も聞かずに挿入しようとした、
ガタン
思わず、入り口の方を振り向いた。
バタバタバタ、と足音が遠ざかる。
(――――、今のって、)
「ごくでら、くん・・・?」
はやく、と甘く囁く女を押しのけ、獄寺は「悪い、萎えた」と言い、呆気にとられた女を置いてさっさと教室を出て行った。