次の日。
午後の授業の合間の休み時間、綱吉はトイレから戻ってくる途中、知らない生徒に声をかけられた。
「ねえ、沢田綱吉って、お前だよな?」
「・・・・・・・・?はい、そうですけど」
「これ、クラスのやつから渡すように頼まれた」
ほれ、と渡されたソレは、一通の手紙だった。
「てがみ?」ぽかん、とした綱吉を残し、生徒は「渡したからな!」と去っていった。
(今時手紙なんて・・・なんだろ、呼び出し?)
恐る恐る開けて、読んだ。
拝啓 沢田綱吉様
以前から、ずっと貴方のことを見ていました。
お話したいことがありますので、今日の放課後、体育館の裏まで来ていただけないでしょうか。
お待ちしております。
それでは。
「!!!!!」
綱吉は、思わず手紙を落っことしそうになった。
生まれて14年ほど経ったが、こういった類のものは初めてもらう。
(・・・・・・・こ、これって、もしや、噂に聞く・・・・・)
「お、ツナ、なんだそれ?ラブレターか?」
「!!!!!」
綱吉は、思わず手紙を握りつぶした。ぐしゃっ!と音がした。
「や、山本さん、どーしてここに」
「いや、もうすぐ授業始まるなーと思って、ツナいなかったから探しにきた」
「(タイミング良すぎだよ!)あ、ありがと!」
綱吉は顔を真っ赤にしていた。何かものすごく動悸が激しい。
山本は、そんな綱吉をいぶかしげに見詰めた。
「ツナ、顔めっちゃ赤いけど大丈夫か?・・・・・・・・・・・・・・・・・もしかして」
「う、うん大丈夫です!なに?」
「ホントにラブレター?」
ズゴスッ!!
綱吉は壁に頭をぶつけた。
山本が目を丸くして、慌てる。
「だ、大丈夫か!?」
「・・・・・・・・・・うん、だいじょうぶ・・・てか、違うよ、ただの、ただの手紙だよ!」
「・・・・・・・・・・ふーん」
山本は疑いの目で綱吉を見た。
綱吉は、目は前を見ていたが、意識はぶっ飛んでいた。