放課後。

山本と獄寺が、一緒に帰ろうと誘ってきたのを、綱吉はやんわりと且つぎこちなく断った。

ちょっと、用があるので、と。

すると、二人は待ってると言った。

正直、体育館裏のことしか頭になかった綱吉は、あ、わかった、ありがとう、と適当に応え、フラフラと教室を出て行った。

 

だが、綱吉はあまり良い方向には考えないように努めていた。

もしかしたら、不良の先輩たちからの呼び出しって可能性もあるし!

名前も書いてなかったし!

でも、万が一女の子からだったら、行かなきゃ失礼だし!

オレには京子ちゃんって女神様がいるけど、行かなきゃ失礼だし!

自分の思考に一々「!」マークが付いているあたり、相当舞い上がっている様子である。

 

そして、視界に男子生徒達が見えた瞬間、綱吉のテンションは一気に奈落の底に落ちた。

 

 

 

 

「お前が沢田綱吉か?」

「おー、噂通り、ダメそーなヤツだなー」

「細せえな、コイツ女みてー」

ギャハハハ、と笑う男たちの前で、綱吉は呆然としていた。

「・・・・・・・・・あのー、手紙の主って・・・・・・・・・先輩方ですか」

一応確認してみるものの、嫌な確信はすでにある。

「正確にはオレらじゃねえんだがな」

「ちょっと沢田くんに付き合ってほしくってー」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!

くそったれ、オレの純情を、返せ!!!!!!!!

 

「お、何その目?」

「先輩に逆らう気満々?生意気だなあ」

「うぜえなお前ー」

 

どこかで戦いのゴングが鳴り響いた!