当然、ボコボコにされた。

だが、綱吉は、どんなに殴られ蹴られても、気持ちはなぜか燃えていた。

いつか、三倍返しにしてやる・・・!男の純情を踏みにじりやがって!

リボーンの特訓をこれからは率先して受けよう、と思った瞬間だった。

 

「なんだその目は?まだ殴られてえの?」

「てゆうか、弱すぎだろコイツ!ちょっとはやり返せばいいのになー」

「何でこんなヤツと山本がトモダチやってんだろなー」

 

ん?なんで今、山本?

 

 

「・・・・・っ、やま、も・・・・って・・・・」

「あー、オレらにお前をボコるように頼んだヤツが、山本に恨みがあんだと」

「まあお前もカワイソウだよな、巻き添え食らっちまってさ」

「でもあんなヒーローなヤツとこんなダメなやつがトモダチだなんてさー、不釣合いにも程があるよな」

「てゆーか、山本ってただダメツナと付き合って、いいヤツぶってんじゃねえの?」

「有り得そうだなそれ!ダメツナとも仲がいい俺様ってサイコーにいい人、みたいな」

 

 

 

「ふざけんな」

 

 

(なんだ、今の声)

男たちが綱吉を見た。

今の底冷えするような声は、目の前のフラフラなヤツから出たのだろうか。

この、ダメツナと呼ばれるヤツから。

一瞬、背筋が凍ったように感じたのは気のせいだろうか。

 

 

「山本の何も知らないくせに、オレの友達を侮辱するな」

 

 

爛々と燃える琥珀の瞳に、一瞬男たちは圧倒された。

 

 

 

「ツナー!」

「十代目ー!」

 

あ、二人だ。

思った瞬間、どっと安心感が押し寄せてきた。

それと共に痛みも。

 

男たちは慌てて逃げ出した。

ゆっくりと倒れながら男たちを眺めていた綱吉は「ざまあみろ」と思った。

 

オレの友達は、めちゃくちゃ強くてカッコいいんだぞ。

お前らなんかとは比べもんにならないくらい、ずっと頼れるヤツラなんだぞ。

ほんと、ふざけんな。

 

 

 

「っ、ツナ!?」

「十代目、大丈夫ですか!?」

「あーだいじょぶだいじょぶ、」

二人の驚いた、焦ったような声を聞きながら、綱吉の意識はダークアウトした。